星座占いの「ハウス」って? 12個あるハウスについて解説します
西洋占星術はよく演劇に例えられることがあります。10天体は役者を、星座はその役者達が活躍する「舞台」を表すと言われています。
ではハウスというのは何なのでしょうか?
ハウスというのは、実際に地上のどんな分野でものごとが起きるかを表すものです。
つまり、一人の人間が持つさまざまな側面を10天体が表し、そして、それぞれの側面がどんな性質であるかを星座が、地上のどんな分野で表現されるかをハウスが表すのです。
生まれた時刻がわかる人の場合、ハウスはASC(アセンダント)と呼ばれる東の地平線と、DSC(ディセンダント)と呼ばれる西の地平線によって上下に分けられ、上は昼を、下は夜を表します。
また、IC(イムム コエリ)と呼ばれる天底とMC(ミディアム コエリ)と呼ばれる天頂で左右にも分かれ、これらを結ぶ位置にも重要な意味があります。
今回は、そんなハウスについて学んでいきましょう。
【目次】
ハウスの様々な分割法
星座(サイン)は、太陽の通り道である黄道を、30度ずつ均等に12個に分けたものでした。これは太陽の一年間の動きを12に分割したものです。
一方、一般的に使われるハウスは、一日という時間を12に分割したものです。
太陽が昇る場所がASC(アセンダント)、太陽が最も高くなるのがMC(ミディアム・コエリ)、太陽が沈む場所がDSC(ディセンダント)、そしてMCの反対側がIC(イムム・コエリ)となり、ASCから一日を12個に分割します。
こうした時間分割法に分類されるハウスシステムにもいろいろありますが、日本ではプラシーダスというシステムが比較的広く使われています。プラシーダスシステムは現代占星術の父と称されるアラン・レオが用いたハウスシステムです。これには緯度の高い場所で作ると、ハウスごとのサイズにかなり偏りが生じてしまうという欠点があります。
この欠点を修正したコッホというシステムは、ヨーロッパを中心に人気が広がっています。
また、イギリスなど緯度の高い国では、ハウスごとの偏りの問題を解決するため、ASCから30度ずつ均等に分割するイコールハウスが用いられることも少なくありません。イコールハウスの場合、MCが10ハウスの起点とならず、別の感受点となります。占星家によっては、解釈に役立つ感受点が増えることをメリットとしてとらえていることもあります。
生まれた時間がわからない場合はASCがわかりません。この問題を解決するために使われるのが、ソーラーシステムやソーラーサインハウスシステムです。ソーラーシステムでは、太陽のある場所を1ハウスの起点とし、30度ずつに均等分割します。ソーラーサインハウスシステムでは、太陽が入っている星座の0度を起点として、30度ずつに均等分割します。
他に、空間を分割するハウスシステムもあります。空間分割法では、レギオモンタナスやキャンパナスと呼ばれるハウスシステムが有名です。ホラリー占星術にはレギオモンタナスを使うなど、目的によって使い分けます。
それぞれに特徴や長所や短所もあり、何が正解ということはなく、長年議論を呼んでいます。占いたいことや自分に合ったハウスシステムを模索してみましょう。
ハウスは大きく分けると3区分にできる
全部で12個あるハウスですが、1、4、7、10ハウスはアンギュラー、2、5、8、11ハウスはサクシデント、3、6、9、12ハウスはカデントという名称です。
一年の流れと一日の流れには照応性があると考えるのが占星術。アンギュラーハウスは活動宮、サクシデントハウスは不動宮、カデントハウスは柔軟宮と、星座の3区分と対応して考えると理解しやすいでしょう。
12あるハウスの特徴
さて、ここから各ハウスがどのような意味を持っているのか解説します。
各ハウスの詳細は別の記事で紹介していきますので、そちらも楽しみにしてくださいね。
1ハウスとは?
1ハウスは自分自身を表すハウスです。個性や人柄、他者に与える印象、生命力、パーソナリティーを表します。
2ハウスとは?
2ハウスは所有を表すハウスです。お金や稼ぎ方を表すといわれていますが、才能などの無形の財産も含みます。
3ハウスとは?
3ハウスは知識やコミュニケーションを表すハウスです。初等教育など基礎的な知識や言語でのコミュニケーション、その他にも兄弟姉妹、小旅行などの近距離移動も表します。
4ハウスとは?
4ハウスは家庭や居場所を表すハウスです。家庭環境や家族のありかた、家そのもや不動産の意味もあります。心の拠り所、母親(父親とする場合もあり)なども表します。
5ハウスとは?
5ハウスは恋愛と創造性を表すハウスです。趣味や恋愛などの楽しいことや表現、レクリエーション、ゲーム、冒険、子供、身近な遊び場を表します。
6ハウスとは?
6ハウスは健康や奉仕を表すハウスです。奉仕というとボランティアをイメージしがちですが、集団での役割ということを含め、労働や労働で得る賃金なども表します。
7ハウスとは?
7ハウスは結婚や人間関係を表すハウスです。主に一対一の深い人間関係という意味があり、結婚以外のパートナシップやライバルもこのハウスです。交渉や契約、対立の意味もあります。
8ハウスとは?
8ハウスは共有と遺産を表すハウスです。深い人間関係から手に入れるものを意味しています。遺産や金融、借金などの金銭系から、セックスや死など無形の価値観も表します。
9ハウスとは?
9ハウスは研究や旅を表すハウスです。高等教育や、哲学、思想、宗教など深い知識を要するものや、海外や宇宙など未知への関心、海外旅行などの長期移動を表します。
10ハウスとは?
10ハウスは社会と転職を表すハウスです。人生の目標やその人の持つ使命など、社会生活における適正や地位、役職、到達点などを表す場になります。
11ハウスとは?
11ハウスは友人や未来を表すハウスです。仕事やパートナーとはまた別の友人関係、コミュニティ、サークルなど共通の目的を持って集まるような広い人間関係や、理想や未来への希望を表します。
12ハウスとは?
12ハウスは潜在意識や秘密を表すハウスです。潜在意識やスピリチュアル、インターネット、恐怖心など目に見えない実態のない世界観を持つハウスになります。
まとめ
いかがでしたか?星座(サイン)とハウスの違いや、分割法が多岐にわたること、3区分や1~12ハウスの基本的な意味など、ハウスの基礎的なことがおわかりいただけたでしょうか。
ハウスでは10天体という役者たちが地上のどんな分野で活躍するのかを読み解くことができます。
12ハウスでは1〜6ハウスは個人の発達を、7〜12ハウスでは社会や他者との関わりを表します。また、対面の位置にあるハウス同士は関連しています。対になっているハウスを関連させて考えると覚えやすくなるでしょう。
それぞれのハウスも細かくみていくと、ここで紹介した以外にも色々な意味が含まれています。少しずつ理解を深め、ハウスを使いこなしていきましょう。
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