2023年を星の動きから紐解く
2023年には、大きな星の動きが3つあります。
まず、その3つの時期を見ておきましょう。
① 木星が牡羊座、そして牡牛座へ【1年単位の変化】
2022年12月20日に本格的に牡羊座に入った木星は、およそ5ヶ月間、牡羊座に滞在し、2023年5月17日には次の牡牛座に移っていきます。
➁魚座土星の時代の始まり【2年単位の変化】
まず、はじめに、2023年3月7日に土星が水瓶座から魚座に入ります。この土星は、このあと逆行もするのですが、もう山羊座に戻ることはなく、2025年5月25日に牡羊座に抜けるまでずっと、魚座に滞在します。2年余りの間、魚座土星の時代となります。
➂冥王星が山羊座から水瓶座に【15年単位の変化】
冥王星が山羊座に入ったのは2008年。2023年は、その冥王星が15年ぶりに星座を移動します。2023年3月24日に、山羊座から水瓶座に入り、その後逆行して6月11日に山羊座に戻り、そして2024年1月21日に再び水瓶座に入り、再び逆行して2024年の9月2日にもう一度山羊座に戻り、最終的に2024年の11月20日にやっと水瓶座に本格入りします。2023年の3月24日から2024年の11月20日までの、2年弱の間、冥王星が山羊座と水瓶座の間を行き来しながら星座移動をするという動きをします。
それではそれぞれ、詳しくみていきましょう。
【目次】
木星が牡羊座、そして牡牛座へ
木星は2022年に一旦、牡羊座に入りました。その後、逆行し、10月28日にもう一度魚座に戻り、再び順行に戻って、2022年の12月20日から本格的に牡羊座に入ります。それからは速度を速め、逆行することなく、たった5ヶ月で、5月17日には次の牡牛座に入っていきます。
つまり2023年の前半は牡羊座にいますが、5月17日以降は、牡牛座に移るのです。その後は1年間ほど、木星牡牛座時代となります。
私たちは、2022年の5月から10月までの間、一度、牡羊座の木星を経験しました。でも、いったん魚座に戻ってしまいましたので、2022年12月20日の牡羊座入りをもって、やっと木星牡羊座時代が本格化します。
牡羊座は12星座の始まりの星座。そこに木星が来るというのは、新たな始まりに祝福があるということです。
たった5カ月しかありませんが、それでもその勢いは非常に大きいと思われます。2023年の前半には、このあとお話しする土星の魚座入りや、冥王星の水瓶座への移行などが重なるので、非常に重要な時期となります。
誰もしたことのない、新しいジャンルや新規の試みに対して、非常にポジティブなサポートを得られやすい時期になります。社会的に伸びていくチャンスが広がるときでもあります。何か新しいことを始めたい人は、5月17日までの間に名乗りを上げ、先陣を切る、マーキングをするなどして、自分自身の存在をデビューさせるといいでしょう。牡羊座に木星があるうちは、勢いのあるものに祝福があります。新しいものをスタートさせたい人たちは祝福を受けることができるのです。
そして、5月17日には、木星は牡牛座に移っていきます。牡牛座には天王星が滞在しており、2024年4月には天王星と木星が牡牛座で重なることになります。
木星と天王星が同じ星座に入るだけでも、とても大きな勢いが得られます。木星と天王星のコンジャンクションは、俗にいう「好景気アスペクト」なのです。
木星と天王星が重なると、天王星の持っているパターンを変える力、そして新しい時代を変えていく力と、木星の非常にポジティブな拡大と発展の力が合わさります。この2つの天体が調和的な角度であるトラインになるときや重なるときは、エネルギーがとても大きくなるのです。2010~2011年頃にはこの2つが重なっていたため、その頃に始まった新しい産業がその後の時代のメインストリームになっていくと言われていました。
2010年6月には、牡羊座の0度で木星と天王星が重なりました。牡羊座の0度は12星座の始まりで、とても大事なポイントであり、そこでこの2つの天体が重なったため、その頃始まったものは、その後、産業として大きく伸びたのです。そのメインはIT産業、それもGAFAのような分野でした。2011年にはLINEがリリースされ、2012年に携帯が4G化すると共に、YouTubeも伸び始め、またInstagramが登場しました。このような産業が急激に盛り上ってきたのです。
牡牛座で木星と天王星が重なる時代に始まるものは何でしょうか?ぴったり重なるのは2024年4月21日です。おそらく牡牛座的な価値観のポジティブな拡大と発展のときになるのでしょう。もとより、天王星が牡牛座に入った2018年以来、天王星の技術力によって、牡牛座の象徴するお金、金融の分野で、新しい決済方法であるデジタル決済が発展するという結果が既にもたらされています。そしてもう一つ言うと、その素材そのものの価値というものも、問われてくるのではないかと思うのです。
金本位制というものが今後、問われてくるのではないでしょうか。例えばデジタル通貨にも、その根拠となるものとして金(ゴールド)が置かれることになるかもしれません。牡牛座というのは素材そのものの力なのです。金融市場における「信用」も、牡牛座が司っているものですが、そこに天王星が入ることによってブロックチェーンから始まって、ビットコインなど、新しい形がもたらされてきました。天王星は2018年から2026年まで牡牛座に滞在しますが、さらにこれから加速していきそうです。牡牛座の天王星によって、新しい技術、新しい価値が生まれてきているところに、木星が入ってくることによってさらに拍車がかかるだろうと予想されます。いよいよ、この新しい技術や価値が社会的に承認される段階に入るのでしょう。
日本では、2024年に新しい紙幣が発行されます。渋沢栄一さんが1万円札、津田梅子さんが五千円札、そして北里柴三郎さんが千円札に描かれますね。
今後、ますます、お金というテーマに注目が集まるでしょう。国家の信用によって生み出される貨幣に対して、本当の貨幣の価値というものが問われるのかもしれません。もしかしたら貨幣の価値観が変わるのかもしれません。何を基軸通貨にするのかとか、国際的にさまざまな問題が問われるようなことが起きるでしょう。物の価値が問われるのです。そうなると、石油やコモディティを持っている資源国が勝つことになってしまいます。その点では、資源国ではない日本はどうなってしまうのかという話にもなります。2023年の日本の春分図をみると、そう心配することはないと思いますが、世界全体には大きな変化が生じそうです。
個人にとってはどうでしょうか?
個人としては、牡牛座的なこと、すなわち、自分自身の才能や、元々持っていた資質、また肉体的な部分を磨いていくといいでしょう。牡牛座の価値観は、肉体や五感の豊かさにあります。出生図で牡牛座がどのハウスにあるかによって、その人にとって影響を受ける分野が違ってきますので、確認してみてください。ハウスカスプ、つまり反時計回りに並ぶハウスの始まりのポイントが牡牛座にあるハウス、そこがあなたの注目すべきポイントとなります。
たとえば、ミシュランで星がいくつ付いていようが、自分がそれを食べておいしいと感じるかどうかが大切なのです。自分の五感を大事にするといいのです。それが本当の判断力を磨く基礎となるのです。自分にとって心地良いか心地よくないか、おいしいかおいしくないか。他人はどうあれ、自分がどうあるかというところを大事にするといいのです。天王星が牡牛座にあることによって、そうしたことに目覚めさせられるような出来事が起きるかもしれません。そこに木星も入ってきますから、「本物」というものがいよいよクローズアップされていくのだろうと思います。
自分自身の資質についても、「本物」かどうかが問われることになります。どこそこの所属だとか、どこの大学卒業だとかいうのではなく、裸のその人自身の存在、素材そのものの力が問われてくることになるため、自分磨きが重要です。それこそ、丸裸になったときに鏡に映った自分が美しいかどうかということも問われるでしょう。自分自身の力、才能、美しさといったことを磨いていくことが、木星牡牛座時代において、一番大事なことです。
ご自分の出生図のどこに木星があるか、今、どこを木星が通過しているかによっても、スポットが当てられる部分は変わってきます。その分野において、素材の良さ、「本物」かどうか、美しさ、そして自分自身の才能を磨いていくことによって、豊かさを得ることが出来るでしょう。
土星魚座の時代とは
土星は天空を28~29年くらいのサイクルで一周します。
今回は、2023年3月7日に水瓶座から魚座に入り、2025年5月25日に牡羊座に抜けるまで、およそ2年余りの間、ずっと、魚座に滞在します。
土星は12星座をめぐりながら、その場所に「問題があるよ、そこが問題だよ」というように揺さぶりをかけ、問題提起をします。
そのことによって、安定させよう、グラグラと揺れている状態を修復しようという作用が生まれます。土星の力は、本来は「固める」、「安定化させる」ものであり、そうさせるために「問題」を起こすのです。土星が提起してくれた問題に、きちんと向き合い、メンテナンスを施すことによって、土星が過ぎた後はそこがとても安定し、固定化することになるのです。
魚座に入った土星は、魚座的な価値観や、水の星座の要素、つまりは心のジャンルに対して、何かしら問題を提起するだろうと予想することができます。
では、魚座的な価値観とはどんなことでしょう。
魚座は12星座の最後の星座です。この世で光を当てられない、隅っこにあるものを救済していこうという働きがあり、あらゆるものを浄化していくような作用が起きてきます。そして、新しい春分点(牡羊座の0度)に向かって、まっさらな身体を作っていくのです。
土星のサイクルの最終章であり、これまで30年ほどの間にやってきたことのうち、不備があったり、あるいは行き届かなかった問題にスポットが当たり、それを救っていこうという動きや流れが出てくるはずなのです。あらゆる救済、それも特に心の救済、あるいは魂の救済といったことがメインテーマになってくるでしょう。
「もう教祖はいらない」といったことも考えられます。あの教会もいらないかもしれないし、パワースポットもパワーストーンもいらなくなるかもしれません。この傘の下で生きていれば安心でしたという状態から、本当に魂が救われるために、自らの内側を自分で作っていくようになっていくのだと思われます。いい方を変えると「自分で自分の教祖になる」、「自分で自分の救い主になる」ということです。本当の意味で、宗教とは、救いとは、魂が救われるとは、ということに真摯に向き合っていくことになるのだろうと思われます。神と思ってきたもの、教祖だと思ってきたもの、救われると思ってきたもの、その実態があらわになったとき、本当の救いはどこにあるのかというと、それはあなたの内側だということなのです。
歴史を振り返ると、1965年前後に生まれた方は、土星が魚座にありました。その頃は、乙女座で冥王星と天王星が重なっていて、その反対側の魚座に土星があった時代でした。
その頃に生まれた人達は、社会的にはいわゆる反逆者なのです。金属バットで父親を殴り殺した事件があり、また中学校の窓ガラスを割ってしまうといった事件が多い世代でした。この世代の人が求めているものは、既存の宗教や社会的な地位があるものに従っているだけでは、本当の意味で自分が求めている答えは得られない、ただ、従っているだけでは何も救われない、ということなのです。本当の魂の救済を求め、既存の宗教では満たされなかった人たちが新しい教祖を求め、とても緻密で現代の人たちの心に響く説得力のある救いの言葉や、自己啓発、あるいはある種の宗教体験やスピリチュアル体験に傾倒していく世代でもありました。ただ、信じればいいのではなく、非常に細やかな解説・解析が求められていました。スピリチュアルな啓蒙、自己啓発を求めていた世代でもあります。
1993年頃、再び土星魚座の時代となるのですが、1995年には、オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしました。
つまり魚座に土星が来るときは、本当の心の救済、スピリチュアルな浄化とは何なのか、といったことが問われている一方で、騙されるとか、自分が信じていたことが本物ではなかったといった出来事が、いろんな側面で起きてくるのかもしれません。
蟹座や蠍座の場合も同様ですが、水の星座に土星が入ると、心のメンテナンスについての問題が浮き彫りになります。そして特に土星が魚座に入るときは、本当の救いはどこから得られるのかといったところに意識が向くのです。
個人にとってどんな影響があるかというと、自分の心の内側にある種、溜め込んでいて見向きもしなかった、蓋をしてきた部分が心に浮かんできて、そこに土星の作用が生じます。たとえばトラウマや、何らかの過去の清算という形で心の問題に向き合う、あるいは向き合わざるを得ないという現象が身近なところで起きてくるかもしれません。魚座の魂の救済というテーマは、過去と向き合い、問題を精算し、修復していくことによって、心の中を掃除するような作用として働くのです。大事なのは、赦す、手放す、浄化することです。
自分のどの部分をメンテナンスすることになるか、すればいいかということは、出生図で魚座が何ハウスにあるかをみるとわかります。ハウスカスプ、つまり反時計回りに並ぶハウスの始まりのポイントが魚座にあるハウス、そこがあなたのメンテナンスのポイントとなります。
2023年は大きな星が動くので、時代が変わったなと感じることになるでしょう。そして、土星が天王星と90度という厳しい角度を保っていた状態からようやく解放されるので、そういった意味では新しい試みをしてきた人たちは恩恵を得やすくなるかもしれません。2021年から2022年は、古い状態から新しい状態に入るために摩擦や矛盾が生まれてきました。そのストレスからはようやく解放されます。そういった意味では2023年は落ち着いてくるとも言えます。ただ、その反面、内面に対して問われる状態がしばらく続くので、「ずっと信じてきたけれども、中身が信じていたものと全然違っていた」といったことを経験する人が増えてきそうです。
答えは自分の外にないということをぜひ土星から学んでほしいと思います。内なる自分自身の力を信じてほしい。そして、自分の中の神性、スピリチュアリティー、そして救済の能力を信じて欲しいと思います。
冥王星が山羊座から水瓶座に
権力構造の中で権威が奮われ、支配が行われる山羊座から、冥王星が水瓶座に移っていくと、個々の力によって自らを成り立たせていかなければならない時代に移っていくことになります。
冥王星が水瓶座にある時代は、大会社でもなく、大教祖様や大教団でもなく、個々の資質に目覚め、同じ志を持つ、同じ考え方の人たちが、自立しつつ、ゆるやかな繋がりによってコミュニティーの中で協力し、新しい時代を拓いていくような時代です。
冥王星が水瓶座に滞在する時代は13年間続きます。その冥王星が何度か山羊座の29度を通過しますが、その星座に長くいた天体が次の星座に移るときは、とても注意が必要です。山羊座という古い伝統社会の、非常に行き詰まった、ある種の弊害が総精算されてから、次に進むことになるのです。
水瓶座のエリアに入ると、新しい技術の開発が進み、新しい時代が広がっていきます。古い体制から新しい時代に入っていくので、既存の、例えば国連やWTO、WHOなど、国家がつながる議会等において、総入れ替え的な、権力の移り変わりのような時代の変遷を目の当たりにするかもしれません。どこに属しているかとか、どういう繋がりで国が成り立っていくかといった、あらゆる問題点が噴出し、一旦全部更地になり、そして再構築されていくようなことが起きるかもしれません。
冥王星は山羊座29度から水瓶座に入り、また山羊座に戻ってきて、また水瓶座に入りと、山羊座の29度を5回も通過するのです。最初の通過のときに一番大きな影響があるのではないかと思います。それは2023年の2月から3月の後半です。
サビアンでは、山羊座の29度は、フリーメイソン度数です。世界を牛耳る権力者が集まって世界会議をする度数なのです。権力者が集まってこれから先の世の中をどうしようかといったことを話し合う度数が山羊座の29度なのですが、そこを破壊と再生をつかさどる冥王星が通過するのです。
2020年頃から、オールリセット、グレートリセットという呼び声がずっと聞こえてきています。大きなリセットが起きるのです。支配するとか支配されるという形の、山羊座という伝統的な社会構造の成り立ちが全て崩れていくのです。その後は、個々人がコミュニティーにいて、自分の国は自分で守るという方向性に向かっていくのではないでしょうか。
日本も、いわゆるアメリカの核の傘の下で守られていると思い込んでいた幻想が破られ、自分で自分の国を守ることになるかもしれません。自立した国家がそれぞれで成り立ち、その上で互いに協力し合っていく時代になっていくのかもしれませんし、新しい国の繋がり方が模索されるのかもしれません。
そうしたさまざまな問題が出てきて、これまで世界で信じ込まれてきた幻想が打ち砕かれていく時代がしばらくの間、続くのではないかと思います。そして、そのあとに本当の意味での繋がりが作られるのではないでしょうか。水瓶座の冥王星が新しい枠組みを作り、新しい価値観が生まれてくるのでしょう。
2020年12月22日に土星と木星が水瓶座の0度で重なったときから水瓶座時代が始まっていますが、冥王星が水瓶座に入り、本格的な水瓶座時代となります。過渡期においては、破壊や、闇の勢力がひっくり返るような出来事が起きるものです。2022年には、これまでの世界を支配してきた多くの人たちが、引退されたり、お亡くなりになったりもしました。時代が変わり、新しい個々の世界が始まっていく前の象徴的な出来事が続いています。
各太陽12星座ごとの記事はこちら!
【2023年運勢解説】牡羊座編
【2023年運勢解説】牡牛座編
【2023年運勢解説】双子座編
【2023年運勢解説】蟹座編
【2023年運勢解説】獅子座編
【2023年運勢解説】乙女座編
【2023年運勢解説】天秤座編
【2023年運勢解説】蠍座編
【2023年運勢解説】射手座編
【2023年運勢解説】山羊座編
【2023年運勢解説】水瓶座編
【2023年運勢解説】魚座編
西洋占星学研究家。実占歴25年以上。
西洋占星学を石川源晃、松村潔の各氏に師事。
1996年より東京アナウンス学院にて西洋占星術講座を担当。
2001年より松村潔氏の主催する「占星術虎の穴」にて占星術初級講座を担当。
2003年より中級講座を担当。
2003年〜2007年イシス学院(旧・タロット大学)にてタロット初級講座講師。
以降、ARI占星学総合研究所にて、西洋占星術講座、タロットリーディング、個人鑑定を行っている。
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