アスペクト
「アスペクト」とは、天体(感受点)と天体(感受点)の間で成立する相対的な角度のことで、「座相」とも呼ばれます。それぞれの「アスペクト」には意味があり、それぞれの天体(感受点)は、アスペクトを形成することにより、その特質や個性が引き出されることになるのです。
「アスペクト」は、「メジャー・アスペクト」と「マイナー・アスペクト」に分類できますが、ここでは一般的な「メジャー・アスペクト」について解説していきます。
また「アスペクト」の影響は、正確に角度を形成している場合だけでなく、許容範囲を設けています。これを「オーブ」と呼びます。「オーブ」の範囲内であれば、「アスペクト」の影響はありますが、狭いほど強力に作用します。
メジャー・アスペクト(第一種座相)
- ハード・アスペクト(ただし、ソフトにも変化する)
- 基準のオーブ±6~8度
2つの天体(感受点)が黄道上のほぼ同じ位置で重なること。互いの性質を強調し合い、新しい力を生み出す。ある天体に対して、もうひとつの天体の力が注ぎ込まれることで、無自覚な衝動性が強まることになる。
- ハード・アスペクト
- 基準のオーブ±6~8度
2つの天体(感受点)が黄道上でほぼ正反対の位置にあること。一方の天体が、
もう一方の天体に向かって積極的に働きかけていく。緊張や対立、葛藤などを生みやすい。外に向かって何かを表現していくときには必要になるアスペクト。
- ハード・アスペクト
- 基準のオーブ±4~5度
2つの天体(感受点)が黄道上で90度離れた位置にあること。性質が異なる星座(サイン)で形成されるので、人生の転機や成長などに影響する。困難や障害、犠牲を克服しながら、新たな力を手に入れていくアスペクト。スクエアがない人は、努力することが苦手になる。
- ソフト・アスペクト
- 基準のオーブ±4~5度
2つの天体(感受点)が黄道上で120度離れた位置にあること。互いの天体の性質を順調に発展させるので、幸運のアスペクトと呼ばれる。同じエレメントのなかで起こるので、その元素の力を強める。安易な方向に流れやすいので、油断を生むこともある。
- ソフト・アスペクト
- 基準のオーブ±3~4度
2つの天体(感受点)が黄道上で60度離れた位置にあること。才能や可能性、成長という意味があり、トラインよりも創意工夫する力がある。風と火、水と土の間でのみ形成されるので、男女のような関係性になる。問題解決の方向性を示す。
マイナー・アスペクト(第二種座相)
インコンジャンクト・inconjunct
- ハード・アスペクト
- 基準のオーブ±2度~3度
2つの天体(感受点)が黄道上で150度離れた位置にあること。異なる資質を調整するという意味を持つ。努力や困難はあるが才能や能力を磨く力があり、使い方次第では恩恵のあるアスペクトになる。「メジャー・アスペクト」に分類されていた時代もある。
- ハード・アスペクト
- 基準のオーブ±2度~3度
2つの天体(感受点)が黄道上で45度離れた位置にあること。スクエア(90度)の半分なのでセミスクエアと呼ばれる。強い影響力は持たないが、何かとストレスを感じやすい。困難から学ぶことによって成長できる。
- ソフト・アスペクト
- 基準のオーブ±1度~2度
2つの天体(感受点)が黄道上で30度離れた位置にあること。セクスタイル(60度)の半分。調和、可能性、機会という意味がある。隣り合った星座同士でできるもので、火と地、地と風、風と水、水と火の間で形成される。
マイナー・アスペクト(第三種座相)
- ソフト・アスペクト
- 基準のオーブ±1度以内
2つの天体(感受点)が黄道上で72度離れた位置にあること。黄道を5等分するアスペクト。才能、精神的な努力、創造性という意味がある。
- ソフト・アスペクト
- 基準のオーブ±1度以内
2つの天体(感受点)が黄道上で144度離れた位置にあること。クインタイルの2倍。特別な才能や精神的な努力という意味がある。
セスキスクエア・Sesquisquare
- ハード・アスペクト
- 基準のオーブ±2度~3度
2つの天体(感受点)が黄道上で135度離れた位置にあること。スクエア(90度)+セミスクエア(45度)を足した角度。困難、否定、衝動性、障害という意味がある。困難からの学びによって成長するという意味は弱い。
- 特殊なアスペクト
- 基準のオーブ±2~3度
「クインデチレ」は15を表すラテン語を語源とする言葉。
15度ずつ増加させるアスペクトのなかで、とくに特徴を示すアスペクトである。強い動機づけ、決意、強迫観念、激変、別離、分裂、といった意味があり、病気にも関係する。
- 基準のオーブ±1度以内
赤緯が同じ値となる天体(感受点)間で起こり、2天体が赤道に対して同じ側に位置している。基本的な意味は、コンジャンクションと同じ。
- 基準のオーブ±1度以内
赤緯が同じ値となる天体(感受点)間で起こり、2天体が赤道を挟んで反対側に位置している。基本的な意味は、オポジションと同じ。
複合アスペクト
120度のトラインが3つ組み合わされて作られる正三角形。大きな幸運や恵まれた環境をあらわすことが多い。現状に甘んじて努力ができなくなることもある。
グランド・トラインに対して、オポジションの天体がある状態。幸運や恵まれた環境に対して緊張感も加わり、行動力が生まれる。有能な人が多いアスペクト。
オポジションとスクエアで形成される十字。人生に波乱が多く、自ら困難を選ぶ傾向もある。試練を乗り越えることで成長し、成功を手にすることもできる。
オポジションとスクエアで形成されるT字形。緊張感と困難の組合せによって、闘争的な要素が強まる。活動力をプラスに活かせば、社会的に成功する可能性も。
オポジション、トライン、セクスタイルによって形成される長方形。人生の試練とどう向き合うかがカギを握る。創造性が必要な分野で力を発揮できる。
セクスタイルとクインカンクス(インコンジャンクト)によって形成される二等辺三角形。宿命的な困難を暗示する。自分を鍛えることで大きな才能が開花することも。
オポジションの関係にある2つの天体(感受点)に対して、セクスタイルとトラインになる天体(感受点)がある状態。オポジションの緊張をトラインとセクスタイルで和らげてくれることから調停(メディエーション)と呼ぶ。