天体・小惑星・感受点
天体
ホロスコープという人生劇のなかで、「天体」は役者のような存在です。10個の天体は、すなわち10人の登場人物。それぞれがどんな役割を持っているのかを理解することが、「天体」への解釈の基本です。
「天体」は古典的占星学では、「吉星(ベネフィック)」と「凶星(マレフィック)」に分けられていました。
吉星(ベネフィック) | 月、金星、太陽、木星 |
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凶星(マレフィック) | 火星、土星、天王星、海王星、冥王星 |
ただ、吉星でもマイナスに働くこともありますし、凶星でもプラスに働くこともあるのが占星学の深さです。吉凶だけにこだわらずに判断するようにしましょう。
また、「天体」は、個人に影響するもの、社会のなかで生かすもの、世代的な意識をあらわすものに分けて考えると、ホロスコープの読み解きがしやすくなります。
個人に影響するもの | 月、水星、金星、太陽、火星 |
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社会のなかで生かすもの | 木星、土星 |
世代的な意識をあらわすもの | 天王星、海王星、冥王星 |
- 公転周期 27.3日(約2.5日でひとつの星座を通過)
- 年齢域 0歳~7歳
- 支配星座 蟹座
- 逆行なし
月は、感受性と反応力を司る天体です。
無意識のうちに働いてしまう感情やクセなどの変えられないパターンをあらわします。
天体のなかでもいちばん速度が速い月はそのまま日常の変化に直結し、
安心する居場所を意味するとともに、不安感などの感情の揺れも生みます。
- 感受性、反応力、無意識、感情、本能、基本のパターン、内省、やさしさ、人気、習慣、平和主義、不安、無頓着、葛藤、衣食住、家庭、母、妻、女性、敏感な人、看護人、保母、大衆、主婦、家事労働者、ペット、旅行者、食品関係者、水に関する場所、レストラン
- 公転周期 88日(約19日でひとつの星座を通過)
- 年齢域 7歳~15歳
- 支配星座 双子座、乙女座
水星は、知性や言語能力を司る天体。
考え方や興味の対象、コミュニケーションのとり方に影響を与えます。
言語や文章によって、自分を表現していくときに力を発揮。
月に次いで速度が速いので、移動も意味します。
- 知性、学習能力、コミュニケーション能力、機敏な反応、計算、記憶力、言葉、気まぐれ、通信、交通機関、移動、兄弟姉妹、親戚、仲介者、教師、セールスマン、秘書、ジャーナリスト、著述家、アナウンサー、運送業者、旅行関係者、経理、書店、学校
- 公転周期 224.7日(約25日でひとつの星座を通過)
- 年齢域 15歳~25歳
- 支配星座 牡牛座、天秤座
金星は、愛や豊かさ、喜びを司る天体。
精神面と物質面の両方での充足感を意味し、個人の幸福感に深く関わります。
好き、楽しい、嬉しい、きれい・・・といった感覚の源で、
人生の楽しみ方、個人の価値観といったものに反映されます。
- 恋愛、金銭、美、楽しみ方、人との関わり方、ファッション、パートナー、甘い食べ物、娯楽、芸術、文化、調和、贅沢、怠惰、暴飲暴食、恋人、妻、婚約者、若い女性、芸能人、資産家、富裕層、美男美女、美容師、音楽家、平和主義者、カフェ、美容院、寝室
- 公転周期 365.3日(約30日でひとつの星座を通過)
- 年齢域 25歳~35歳
- 支配星座 獅子座
太陽は、生命力、人生の目的を司る天体。
外に対して見せるオモテの顔であり、意識的にとっている行動をあらわします。
もともと持っているものではなく「こうなりたい自分」の象徴。
太陽は自分で輝く天体なので、自覚しないうちは力が十分に発揮できません。
- 基本的性格、人生観、創造性、独立心、目的、活力、行動のパターン、勇気、権威、リーダーシップ、社会的成功、自己表現、自尊心、贅沢、権力欲、政府、夫、父、公人、主人、影響力の強い人、有名人、役人、政治家、王、知事、首相、大統領、公的建物、大劇場
- 公転周期 約687日(約43日でひとつの星座を通過)
- 年齢域 35歳~45歳
- 支配星座 牡羊座(蠍座)
火星は、行動力やモチベーションを司る天体。
闘争本能や勇気、やる気、性的エネルギーといった活力はここから生まれます。
好戦的であるがゆえ、事故やトラブルの引き金にもなることも。
ただし、困難や試練を乗り越えていくときには大きな味方になります。
- やる気、セックス、モチベーション、行動力、決断力、燃やす、衝動、闘争、突発的、攻撃、戦争、トラブル、破壊、暴力、事故、外科手術、若い男性、企業家、金属を扱う人、外科医、スポーツ選手、警察官、料理人、活気ある場所、事件や事故の場所、戦場
- 公転周期 11.9年(約1年でひとつの星座を通過)
- 年齢域 45歳~56歳
- 支配星座 射手座(魚座)
木星は、拡大と成功を司る天体。
関わる対象を増やし、広げ、守り、楽観的にさせてくれます。
本当の意味での高い精神性を持ち、他者に対しても寛容ですが、
増長しすぎると、努力ができない人になり、失敗を招くこともあります。
- 拡大、発展、幸運、保護、増やす、援助、寛大、陽気、成長、豊かさ、繁栄、富、善意、リラックス、信頼、財産、奔放、不用心、安易さ、保護者、外国人、内科医、教師、哲学者、銀行家、成功者、法律家、資本家、図書館、広い場所、銀行
- 公転周期 29.5年(約2.4年でひとつの星座を通過)
- 年齢域 56歳~70歳
- 支配星座 山羊座(水瓶座)
土星は、制限や努力を司る天体。
課題や試練を与えてきますが、それが個人の成長につながります。
生きるうえで大切な事柄を教えてくれる師のような存在。
土星の問題とは、苦手意識を持たずに向き合うことが大切です。
- 制限、努力、現実化、ルール、権威、葛藤、減らす、安定性、持久力、契約、責任感、伝統、真面目、学び、試練、忍耐、不安、質素、父、老人、実業、労働者、困難をもたらす人、厳しい教師、患者、隠れた場所、書斎、事務所、古民家
- 公転周期 84年(約7年でひとつの星座を通過)
- 年齢域 70歳~84歳
- 支配星座 水瓶座
天王星は、改革や独創性を司る天体。
過去の体制や価値観を打ち破って、新たな未来を創っていこうとします。
その時代を象徴するような発明や発見には大きく影響し、
破壊して創造していくなかで、オリジナリティを発揮していきます。
- 変革、変化、改革、離婚、転職、独創性、個人主義、覚醒、科学、コンピュータ、心理学、占星術、頑固、風変り、エキセントリック、反社会的、発明家、革命家、変わり者、専門技術を持つ人、浮気相手、飛行場、現代的な建物、テレビ局
- 公転周期 164.8年(約14年でひとつの星座を通過)
- 年齢域 85歳~死ぬまで
- 支配星座 魚座
海王星は、直感や無意識を司る天体。
現実力には欠けますが、精神的な分野では大きな力になります。
世のなかにある様々な境界線を曖昧にしてしまい、
それが純粋な霊性を生むことがあれば、自己逃避につながることもあります。
- 無意識、幻想、直感、共感性、霊性、曖昧、神秘、予感、錯覚、利他主義、中毒、欺瞞、嘘、不注意、混沌、液体、アルコール、薬物、芸術家、詩人、引退した人、理想主義者、霊能者、精神論者、ダンサー、スパイ、病院、刑務所、宗教施設
- 公転周期 247.8年(約14~26年でひとつの星座を通過)
- 年齢域 死後
- 支配星座 蠍座
冥王星は、死と再生を司る天体。
極限を超えるというがあり、関わった対象を強制的に変化させます。
現状を根本的に変えたい、限界を突破したいときは使える力。
1930年に発見されたので、蟹座以降しか事例がありません。
- 死と再生、極限、無、破壊、深い力、こだわり、隠れた力、心理的洞察、深い癒し、性的興味、閉鎖的、支配、強制力、強迫観念、恐怖、核兵器、孤独、異常性、死者、先祖、犯罪者、黒幕、独裁者、テロリスト、地下世界、隠れた世界
感受点
感受点は天体ではありませんが、ホロスコープを読み解くうえでは重要な意味を持つポイントです。
ASC(アセンダント) | 生まれつきの資質や外見、周囲に与える印象などをあらわします。 | ||
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DSC(ディセンダント) | 自分を取り巻く環境や他者との関わり方をあらわします。 | ||
MC(ミディアム コエリ) | 社会的な地位や目標、職業、理想といったものをあらわします。 | ||
IC(イムム コエリ) | その人の拠り所となる心の故郷や自分の環境などをあらわします。 | ||
ノード | 月の通り道である白道と太陽の通り道である黄道の交点が「ノード」です。北の交点を「ドラゴン・ヘッド」、南の交点を「ドラゴン・テイル」と呼びます。 | ||
ドラゴン・ヘッド | 自分にプラスに働く人間関係を。来世やこれからの方向性という意味もあります。 | ||
ドラゴン・テイル | 自分にマイナスに働く人間関係。前世やこれまでの経験という意味もあります。 | ||
バーテクス・ アンチバーテクス ※アンチバーテクスは、 バーテクスの180度反対側です。 |
ASCやMCと同じくらい重要だという考え方もある感受点で、宿命的な要素をあらわします。 アンチバーテクスは、社会のなかで自分が果たすべき役割や使命であり、バーテクスは、その結果、生じる周囲との関係性や関わり方になります。 |
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パートオブフォーチュン | 幸運という意味を持つアラビック・パートの代表のひとつ。出生時の太陽が7ハウス〜12ハウスにある場合は「ASC+月−太陽」、1ハウス〜6ハウスにある場合は「ASC+太陽−月」という計算で導き出される感受点。「幸運のありか」と表現されることもあり、現実的な富や豊かさを示します。 |
小惑星
小惑星は数多くありますが、ここではホロスコープの読み解きに活用される四大小惑星(セレス、パラス、ジュノー、ベスタ)とキロン(カイロン)について解説。小惑星の名前と由来には、神話が関わっています。
セレス | ローマ神話の豊穣の女神であり、母なる大地の象徴。ギリシャ神話のデーメーテールと同一視されます。無償の愛や献身、養育という意味があります。 | |
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パラス | ゼウスの額から生まれたとされる智恵と戦争を司る女神・アテナの別称。調和や平和と同時に、勝てる戦いをするという意味もあります。男性性と女性性の葛藤もあらわします。 | |
ジュノー | 最高神・ゼウスの正妻で、ギリシャ名はヘーラー。男女間の問題、女性の権利の主張などを司ります。パートナーシップ全体をみることもあります。 | |
ベスタ | 聖火を守るかまどの女神。職務のために永遠の処女を誓ったことから義務や使命、犠牲という意味があります。また、性生活に関係することもあります。 | |
キロン(カイロン) | 半人半馬のケンタウルス族の賢者で、ギリシャ名はケイローン。心の傷と表現されることが多いが、それ以外にも癒し、予言、芸術という意味もあります。 | |
リリス | 月の遠地点(軌道上で地球から最も遠い点)で、「闇の月」、「黒い月」と呼ばれることもあります。生と性への衝動をあらわし、秘められた情欲の象徴。セクシャルな魅力も示します。 |
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